インドネシアの国営放送ネットワーク、StorNextを使用してワークフローの高速化と大規模なアーカイビングを実現
高度に分散化されたネットワークがもたらす固有の課題
「国営統一チャンネル」として、TVRIは全国民に影響を与える政治や文化を扱う番組を提供していますが、個々の地方局で放送業務を提供することにより、同局の番組がインドネシアにおける国民の多様性を保つようにしています。これを実現するために、同局ではジャカルタに中央放送局を配置しているほか、独自のローカル番組の制作と放送を行う独立した地域支局を29ヶ所に配置しています。TVRIのHari氏は次のように述べています。「現在、TVRIの中央放送局は、同社内で完全に異なる2つの役割を提供しています。中央局は独自の番組を作成し放送していますが、個々の地方局は各自の地域に固有の変化に富んだ多様な番組を共有しているからです」。
新システムの主な目標:コラボレーションの促進と全コンテンツの保存
2016年に、TVRIは同局のワークフローをアップグレードすることを決断しました。Hari氏は次のように述べています。「我々には、最新の拡張を計画するにあたって2つの大きな目標がありました。1つ目はコラボレーションの促進であり、個々の放送および制作局における複数のビデオ編集者が互いにコンテンツを共有できるようにし、複数の場所の間でより迅速で効率的な共有を実現することでした。2つ目は、大規模かつセキュアでスケーラブルなアーカイビング機能を提供することでした」。このアーカイブは、すべてのサイトで作成されたコンテンツを中央で一元的に保存することにより、歴史的記録物を提供すると共に、既存のコンテンツの再利用を容易化するものでした。
検討した結果、最終的にStorNextスケールアウトストレージを採用
新しいシステムは、TVRIの長期的目標全体をサポートした上で、信頼できる地域サービスおよびサポートを提供し、さらに既存のインフラストラクチャやツールとの統合が簡単に行える必要がありました。TVRIはQuantum StorNext上で標準化を行うことを決定しました。「StorNextは、まさに我々が必要としているすべてのものを提供してくれました。これには、当社のデジタル・コンテンツ管理をサポートする高性能のコラボレーションを実現するためのストレージとソフトウェアに加えて、長期間にわたりデジタル資産を保管するという当社の要件を満たすことができるアーカイビング機能が含まれています」とHari氏は述べています。
StorNextによりコラボレーションの合理化とアーカイビングの集中化を実現
各TVRIのサイトは、Xcellis Workflow DirectorアプライアンスとQXSプライマリ・ストレージを含む新しいStorNextシステムを保有しています。StorNextを使うと、SANインターフェイスやLANベースのクライアントを通じて複数のビデオ編集者間でコンテンツを同時に共有できるようになるため、ワークフローを大幅に合理化し、コンテンツの準備にかかる時間を劇的に短縮できます。また、アーカイビングを実現するために、中央局に置かれているStorNext AEL500 LTOテープ・ライブラリでは、地方局が作成したコンテンツのコピーを保存することで、すべてのサイトが同コンテンツを再利用できるようにしているほか、オフサイトで保持するための複製ファイルも作成しています。また、同アーカイブに含まれているExtended Data Life Management(EDLM)機能は、メディアの消耗度を定期的にスキャンして検査し、既存のテープが消耗している場合はそれに収められているファイルを新しいテープに自動的に移動することで、それらのファイルの長期保持を実現します。「我々は、当社の地方放送局が作成したコンテンツを、かけがえのない文化財であると見なしています」とHari氏は述べています。