Airbus Defence and Space社、StorNextスケールアウト・ストレージによる衛星データ用ペタスケール・アーカイブを発表

数ペタバイトの衛星データをアーカイブ

欧州宇宙機関 (ESA) は、それぞれのSentinel計画で2機の衛星を打ち上げ、プログラム開始から数年以内に4機のSentinel衛星を軌道に乗せる予定です。それぞれの衛星は、最長15年間、1年につき1PB以上のデータをストリーミングします。これらのデータをすべて保持するには新しいアーカイブが必要でした。Airbus Defence and Space社のテクニカル・デザイン・オーソリティ、Mark Curtis氏は次のように語っています「私たちは計測器のRawデータ (レベル0) だけでなく、レベル1とレベル2のプロダクトを生成するESAのPayload Data Ground Segmentによって加工されたデータもアーカイブしています。すべてのデータを長期的にアーカイブするには、数十ペタバイトにまで拡張できるストレージ・ソリューションが必要でした。」

テープの経済性を活用して数百万のファイルを管理

Curtis氏は次のように述べています「軌道上の衛星が4機になれば、1日につき4万ファイルをアーカイブする必要があります。数千万のファイルをサポートする堅牢なファイル・システムが必要でした。」さらに、さまざまなサイズとタイプをサポートする必要がありました。

Curtis氏は次のように語っています「Sentinel計画の数十ペタバイトに上るデータを格納する必要があったので、コストのコントロールが重要でした。テープは非常に経済的です。それぞれのテープ・カートリッジは大量のデータを低コストで格納でき、テープ・ライブラリは高速ストレージ・システムよりも必要な電力と冷却が少なくて済みます。」また、テープは大量のデータがストリーミングされるアプリケーションに適しています。

StorNextでスケーラブルなマルチ階層型アーカイブを構築

Airbus社のチームは、StorNextによって制御されるStorNext AEL6000テープ・アーカイブ、メタデータ・アプライアンス、およびディスク・キャッシュを含む、マルチ階層型StorNextソリューションを選びました。StorNextが選ばれた理由の1つは、Google Earthの画像のサプライヤーであり、現在はAirbus Defence and Space社の子会社であるInfoterra社におけるクアンタムの過去の経験でした。

Curtis氏は次のように語っています「クアンタムは常に、私たちのソリューション改善要求に耳を傾けてくれました。StorNext 5の場合、クアンタムが私たちや他の組織からのインプットを取り入れてくれたことで、より強力なストレージ・ソリューションが生まれました。」

アーカイブは当初、18PBのデータをサポートしますが、37PBにスケールアップすることができます。Curtis氏は次のように説明します「StorNextはアーカイブの拡張が容易なので、新しい衛星計画をサポートして将来のためにさらなるデータ収集を行うことが可能です。」

連続的なデータの高速インジェスト/アクセスを可能に

Curtis氏は次のように述べています「私たちの現在の構成は、StorNextファイル・システムで1.1GB/秒のパフォーマンスをサポートしています。その結果、受け取ったすべてのRawデータと加工済みデータを迅速にインジェストでき、必要な時に素早く取り出すことができます。」ほとんどの場合、Airbus社のチームは1分以内にアーカイブから個々のファイルを取り出すことができ、ファイバ・チャネル接続なので大量のデータ転送も迅速です。システムは、LinuxとWindowを含むほぼすべてのオペレーティング・システムをサポートします。

スタッフを少人数に抑えつつデータを保護

システムのEDLM (拡張データ・ライフ・マネージメント) 機能は、データの保護に有効です。Curtis氏は次のように説明します「StorNextテープ・アーカイブのポリシー・ベースのEDLM機能は、長期間にわたってテープ上のデータの整合性をプロアクティブに維持するのに有効です。テープに問題が発生した場合、StorNextは自動的により安全なテープへとデータを移行するので、管理者は何もする必要がありません。EDLMには大きなメリットがあります。」

Curtis氏は「StorNextの管理コストは非常に低く、クアンタムのソリューションではたった2人で、急増する衛星データのペタバイト規模のアーカイブを簡単に管理できます」と語っています。

予期せぬデータ増に対する柔軟性の確保

StorNextは要件の変化にも対応します。たとえば、新たに計画された中継衛星システムでは、ストレージのニーズが当初の見積りを超えるものと予測されます。「幸運なことに、StorNextでは環境のスケールアップが容易です。大規模なオーバーホールなしで、これらの新しいデータ収集要件に合わせて、新しいアーカイブ・システムを追加し、LTO-7に移行することができます。

ESAが次のSentinel衛星シリーズを打ち上げれば、ストレージ要件は再び変わる可能性があります。StorNextソリューションであれば、備えは万全です」とCurtis氏は述べています。